「カンナビジオール(CBD)」と呼ばれる大麻草由来の成分が入った輸入健康食品や化粧品が急速に広まっている。不眠改善、鎮痛作用といった効果があるとされるが、健康被害の相談も増加。違法な大麻成分の混入例も相次ぎ発覚し、厚生労働省が警戒している。
 CBDは大麻草の成熟した茎や種子から抽出、精製され、精神作用はない。一方、それ以外の部位から抽出される「テトラヒドロカンナビノール(THC)」は幻覚作用などがあり、大麻取締法の規制対象となっている。
 日本化粧品協会によると、厚労省が2019年、CBD含有の難治性てんかん治療薬について、一定の条件下で治験薬物として用いることは可能との見解を表明し、これを機にCBD輸入商品の流通が急増。各社の販売サイトには「飲む美容オイル」などの宣伝文句が並び、インターネット上で愛用をアピールする芸能人も少なくない。
 「税関を通っているので、そんなことはないだろうと思っていた」。CBD製品を専門に扱う健康食品会社代表の男性はこう語る。20年、デンマークから輸入したオイルにTHCの含有が発覚し、約1000本を回収した。男性は「現地工場で一律精製されたCBDを使ったのが原因だった」と釈明する。
 この他にもオイルにTHCが混入する例が相次ぎ、厚労省は昨年2月までに国内販売されている製品をサンプル調査。THCは検出されなかったが、担当者は「今後も調査は必要だ」と警戒を強める。
 東京都消費生活総合センターに寄せられたCBD商品に関する相談は、19年度84件、20年度316件と急増。百瀬篤相談課長によると、このうち健康被害は19年度が2件、20年度は11件で、CBDを含む電子たばこの使用後に頭痛吐き気などを訴える内容だという。
 国立精神・神経医療研究センター依存性薬物研究室の舩田正彦室長は「海外の事例ではCBDに肝機能障害や下痢吐き気、眠気などの副作用が報告されている。使用後に体調不良を感じた時はすぐに関係機関へ連絡してほしい」と注意を呼び掛けている。 (C)時事通信社