【ニューヨーク時事】新型コロナウイルス流行による「巣ごもり」需要を追い風に、在宅フィットネスサービスで急成長した米ペロトン・インタラクティブが岐路に立たされている。株価急落で「物言う株主」からの圧力が強まる中、経費削減を余儀なくされ、経営トップが交代。米スポーツ用品大手ナイキなどへの身売りの可能性も取りざたされている。
 ペロトンは、同社のランニングマシンなどの機器を活用し、サブスクリプション(定額制)のレッスンを自宅で受けられるサービスを展開。ビデオ会議システムを運営する米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズと共に「巣ごもり銘柄」の代表格と見なされ、株価は2021年初めに史上最高値を付けた。
 ペロトンは会員数の伸びを見込み、工場新設や人員増強といった拡大路線を打ち出したものの、コロナワクチン普及などに伴う巣ごもり需要の減速で21年10~12月期決算は赤字に転落。株価は一時、新規株式公開(IPO)価格を割り込んだ。
 株主の米投資会社ブラックウェルズ・キャピタルは1月下旬、ペロトン共同創業者のフォーリー最高経営責任者(CEO)の即時解任を要求。「ペロトンとその顧客は、アップル、ウォルト・ディズニー、ソニーグループ、ナイキなどにとって極めて魅力的だ」と経営陣に身売りを訴えた。
 ペロトンは今月8日、同じく定額制サービスを手掛けるスウェーデンの音楽配信大手スポティファイと米動画配信大手ネットフリックスで幹部を務めたバリー・マッカシー氏をCEOに迎えると発表。2800人の人員削減も打ち出した。身売りの臆測も根強い中、新CEOはコロナ禍収束後をにらんだ経営判断を迫られている。 (C)時事通信社