原油などの資源高を背景に、貿易赤字が長期化の様相を呈している。財務省が17日発表した1月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支の赤字は過去2番目の高水準を記録。資源高に伴うガソリンなどの価格上昇は、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染拡大で失速が懸念される国内景気に打撃となりかねない状況だ。
 1月の貿易収支は6カ月連続の赤字で、赤字額は2兆1911億円に上った。輸入額が前年同月比39.6%増の8兆5231億円と急増し、3カ月連続で過去最大を更新したためだ。ウクライナ情勢の緊迫化などで原油価格が高止まりしている。ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査部長は「輸入価格の上昇を主因に、当面は貿易赤字が続く可能性が高い」と分析する。
 輸入額は、原油が84.6%増、液化天然ガス(LNG)は52.1%増となり、石炭は2.7倍に達した。円安進行も輸入価格上昇の一因となっている。
 資源高は企業経営の重荷となっているほか、ガソリンや電気代などの値上がりを招き家計負担も増している。岸田文雄首相は17日の記者会見で「原油をはじめとする物価高については、わが国の経済、そして国民生活に大きな影響が出る大変重大な課題だ」と強調した。
 農林中金総合研究所の南武志主席研究員は「エネルギー価格だけでなく、食料品など生活必需品の値段が上がり、家計所得の伸びが物価の上昇に追い付いていない」と指摘する。国内景気がコロナ禍に見舞われる中、物価高で消費者心理が一段と冷え込むことが懸念されている。 (C)時事通信社