新型コロナウイルスワクチンの1日当たりの3回目接種回数が、自治体などによるワクチン接種記録システム(VRS)への入力ベースで連日「100万回前後」を記録している。首相官邸は岸田文雄首相の掲げる「安定的な1日100万回」達成に向けて、硬軟両様で自治体に取り組みを促すが、自治体からは「責任転嫁だ」と恨み節も漏れる。
 3回目接種の前日からの増加回数は、15日約110万回、16日約105万回、17日約99万回、18日約95万回だった。ただ、これはVRSへの入力数を基にした計算のため、数日分まとめて報告され、実態よりかさ上げされている可能性がある。
 さらに3回目接種者の累計は18日時点で約1600万人。現在のペースでは当初想定していた2月末時点の3746万人には到底届かない。首相は17日の記者会見で「ペースは上がってきた。手綱を緩めず、安定的に100万回以上を達成できるよう全力を尽くす」と語った。
 官邸はあの手この手で自治体にさらなる上積みを促す。ホームページの「ワクチン接種これいいね。自治体工夫集」と題したコーナーに新項目を掲載。「先進自治体」の対応として、予約代行を市に依頼する「おまかせ予約チケット」を発行したり、接種券の発送状況をオンラインで確認できる「お知らせサービス」を導入したりした神戸市などの例を記した。
 接種が進んでいない自治体の「尻をたたく」(官邸関係者)のも忘れない。都道府県と政令市の接種率を連日公表したり、堀内詔子ワクチン担当相が首長にハッパを掛けたりしている。堀内氏は18日には大阪市の松井一郎市長とオンラインで面会し、「協力が不可欠だ」と念押しした。
 もっとも、接種の遅れは3回目用の半分以上を占める米モデルナ製ワクチンの副反応への国民の忌避感も遠因とされる。自治体関係者は「政府がファイザー製を多く確保できていれば状況は違った」とこぼす。ある市長は「自治体の取り組みには限界がある。国民への呼び掛けなど政府がすべきことはまだまだある」と注文を付けた。 (C)時事通信社