地方銀行99行(単体)の2021年4~12月期決算が19日までに出そろった。融資先の貸し倒れに備えた与信関係費用が減少し、純利益の合計は前年同期比29.7%増の7949億円だった。ただ、新型コロナウイルス感染拡大による取引先の業績悪化や国内外の金利上昇は収益悪化要因で、先行きへの警戒感が強まっている。
 84行が増益を達成し、4行が黒字に転換。10行で減益となり、福邦銀行は赤字に転落した。本業のもうけを示す実質業務純益は16.0%増の1兆1063億円。政府などの資金繰り支援策で倒産が抑えられ、与信関係費用が33.9%減の1307億円となったことも収益改善につながった。
 ただ、年明け以降は新型コロナの変異株「オミクロン株」の感染が急拡大し、飲食・宿泊業を中心に地域経済は苦境に立たされている。長野銀行の大沢孝一常務は「経営環境の悪化が予想されており、年度末に向けて引当金の増加を見込んでいる」と懸念を示す。
 保有する国内外債券の損益を示す国債等関係損益は262億円の赤字(前年同期は116億円の黒字)となった。世界的なインフレを背景に、欧米各国が金融引き締めの動きを鮮明にしたことで金利が上昇。保有債券の値下がりにつながり、損失を計上した地銀が多かった。年明け以降、金利上昇は加速しており、地銀の財務が悪化する恐れがある。 (C)時事通信社