新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、5~11歳へのワクチン接種が近く始まる。ただ、注射は大人でも不安なもの。専門家は「接種会場にはいつも遊ぶおもちゃを持参するなどし、普段通りにリラックスして」と話す。
 文部科学省によると、児童や生徒らの感染者数は年明け以降急増した。5~11歳の大半が該当する小学生は1月だけで5万1535人に上った。「第5波」で最多だった昨年8月の約3.6倍で、現在も各地で休校や学級閉鎖が相次ぐ。
 接種が始まるのは米ファイザー製ワクチンで、3週間間隔で2回投与される。オミクロン株流行前の臨床試験(治験)では発症予防効果は約90%だった。接種が進む米国では痛みや発熱心筋炎などの副反応が報告されるが、頻度は16~25歳より低いとされる。
 国はワクチンを21日の週から配送予定で、自治体によっては月内にも接種が始まる。保護者は原則同伴するが、接種に努力義務はない。
 子どもは全員が受けるべきなのか。長崎大の森内浩幸教授(小児科学)は「重症化予防は期待できるので、心臓や呼吸器などに基礎疾患があり、リスクが高い子どもへは接種を強く勧める」とした上で「健康なら優先度は低い」と強調する。
 森内氏は「接種の必要性や健康状態に応じた注意点をかかりつけ医らと事前に十分話し合い、不安を解消するのが重要」と指摘。「子どもは体調が変わりやすい。接種前の問診や診察は子どもの対応に慣れた医師らが丁寧に行って」と話す。
 雰囲気も重要だ。森内氏は「不安そうなら普段遊ぶおもちゃや絵本を持参し、安心させてあげて」と提案。普段一緒にいる人が同伴し、接種時は暴れて接種部位がずれないように体を固定することも必要という。「副反応に過度な心配は不要だが、オミクロン株への感染予防効果は大きく期待できない。保護者は接種の意義や副反応を正しく理解し、子どもにも『接種後はマスク不要』などのうそはつかず、両者が納得して受けて」と訴える。 (C)時事通信社