【香港時事】6月末に任期満了となる香港政府トップの林鄭月娥行政長官の再選に黄信号がともっている。中国が新型コロナウイルスを徹底的に封じ込める「ゼロコロナ」政策を掲げる中、香港では連日数千人の新規感染者を出す「失態」が起きているためだ。
 林鄭氏は18日、「感染抑止は他の全てに優先させるべき任務だ」として、3月下旬に迫った長官選挙を5月に延期すると発表。この2日前には、習近平国家主席が「香港政府の主体的責任」の下、「必要なあらゆる手段」で感染を抑制するよう指示したと報じられたばかりだった。
 親中派重鎮で全国香港・マカオ研究会副会長の劉兆佳氏はメディアに、「(習氏の指示は)香港政府への不満の反映であり、適切に対処できなければ林鄭氏の責任となる」と指摘。実際、香港では満床の公立病院で患者を屋外に寝かせたり、感染者の中国本土への流入が発覚したりするなど、ゼロコロナ政策を推進してきた習政権の威信に傷が付きかねない状況にある。
 行政長官は一般市民の直接選挙ではなく、親中派から成る選挙委員会(定数1500)の投票で決まる。中国側が認めた候補が形式的な信任投票を経て当選する仕組みだ。林鄭氏は続投に意欲的とみられてきたが、感染の早期収束なくして習氏の支持獲得は困難だ。
 行政長官の任期は5年で、一度の再選が認められている。 (C)時事通信社