日本産科婦人科学会は2月21日、妊婦に対する新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチンの接種に関し、厚生労働省が努力義務を課すことを決定した旨を周知する声明を発表した。努力義務を課すことは、1月26日の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会で決定。同学会は会員を通じ各地域の医療関係者などへの周知を図っている(関連記事「妊婦にコロナワクチン、早産などと関連なし」、「コロナワクチン、重大な産科的症状は1%未満」、「妊婦へのコロナワクチン、3回目優先接種を」)。

妊娠中の接種に高い有効性、安全性には特段の懸念なし

 妊婦へのSARS-CoV-2ワクチン接種は、昨年(2021年)2月15日の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会において「妊婦については、慎重に判断することができるよう努力義務を適用しない」こととされていた。

 しかし、その後ワクチン接種に関する多くのエビデンスが集積され、①妊娠中、SARS-CoV-2に感染すると重症化リスクが高いことを示唆する報告がある、②妊娠中のワクチン接種については、高い有効性を示唆する報告があり、安全性に関する特段の懸念を示唆するエビデンスはない-ことが判明した。

 そのため、今年1月26日の同分科会では妊婦にワクチン接種の努力義務を課すことを決定。2月21日付で、各自治体、各都道府県医師会などに本決定が通達された。

 こうした状況を踏まえ、同学会は会員に対し、各地域にその旨を周知するよう声明文で要請している。 声明文では、努力義務は3回目の追加接種だけでなく、未接種の妊婦に対する1回目、2回目接種にも適用されることに言及。接種券を持つ妊婦に対し、ワクチン接種に関する情報を伝達するよう呼びかけている。

(陶山慎晃)