新型コロナウイルス感染対策として31都道府県に適用中の「まん延防止等重点措置」をめぐり、3月6日の期限で全面解除する政府の想定が不透明感を増している。変異株「オミクロン株」による感染「第6波」はピークを越えたとの見方があるものの、一部の自治体で医療提供体制の逼迫(ひっぱく)がなお解消できていないためだ。
 政府は18日、重点措置を5県で解除する一方、17道府県で3月6日まで延長することを決定。これまで3週間としてきた延長幅を1~2週間に短縮し、先に同日までの延長を決めていた14都県と期限をそろえた。3月6日に一斉解除し、経済社会活動再開を演出する狙いからだ。
 しかし、解除の可否を判断する上で最重視する医療提供体制は依然厳しい状況が続く。政府の集計によると、31都道府県のうち19都府県の確保病床使用率が21日時点で50%を超過。大阪と福岡では8割を超えている。
 全国の死者も22日、過去最多の322人に達した。オミクロン株の亜種「BA.2」の市中感染が広がっていることも懸念材料だ。こうした状況に政府筋は「一部の自治体は延長せざるを得ない」と明言。別の政府関係者は「3月6日の一斉解除は無理ではないか」と語った。
 一方、政府が視野に入れていた一部自治体の解除前倒しも見送りの公算が大きくなっている。
 岸田文雄首相は17日の記者会見で「3月6日を待たずに解除することもあり得る」と発言。政府は自治体から解除前倒しの要請があった場合、24日に関係閣僚が協議して対象地域を確定し、25日に正式決定する段取りを描いていた。
 ただ、自治体の動きは鈍い。山際大志郎経済再生担当相も22日の会見で「無理に解除にいざなう必要もない。慎重には慎重を期して進むことが大切だ」とトーンダウンした。政府は解除前倒しを見送る場合、重点措置の下で時短営業要請の緩和などを働き掛ける方針だ。 (C)時事通信社