日米欧はウクライナ東部2地域の独立を一方的に承認したロシアに対する経済制裁を発動する。本格的なウクライナ侵攻に対し、追加制裁も検討しており、ロシアは対抗措置として天然ガスなどの供給を停止する可能性がある。原油など資源価格の高騰に拍車が掛かっており、新型コロナウイルス禍で停滞する日本経済を一段と圧迫する恐れがある。
 ロシアは天然ガスの輸出量が世界1位、原油が2位の資源大国。日本は液化天然ガス(LNG)の輸入の8%、原油の4%をロシアに依存する。
 国際石油市場では、ロシアからの原油・ガス供給が長期間滞るリスクへの懸念から、欧州の代表的な原油指標である英国産北海ブレント先物価格が1バレル=100ドルを突破。「原油価格は情勢次第では110ドルを超えていく可能性がある」(ニッセイ基礎研究所の上野剛志上席エコノミスト)との見方が出ている。
 経済産業省が24日発表したレギュラーガソリン1リットル当たりの給油所店頭価格(21日時点)は、全国平均で前週比60銭高い172円ちょうどだった。7週連続の値上がりで、2008年9月16日以来、約13年5カ月ぶりの高値。価格抑制のため、政府は石油元売り各社に上限額の1リットル当たり5円の補助金を支給しているが、目標とする170円程度に抑え続けるのは困難になりつつある。
 原油高騰に対し、岸田文雄首相は国民生活や企業活動への影響を最小限に抑えるため、「あらゆる選択肢を排除することなく、政府全体でしっかりと検討し、対応していく」と表明。補助金の上限引き上げなどを検討するが、どこまで有効な方策を打ち出せるのかは不透明だ。第一生命経済研究所の永浜利広首席エコノミストは、原油価格が100ドル程度で推移すれば、22年の家計負担は前年比2万6000円増えると試算する。
 また、希少金属では、自動車の排ガスを浄化する触媒などに使用されるパラジウムもロシアからの輸入に依存。サプライチェーン(供給網)の混乱を招かないよう経産省が重要物資の洗い出し作業を進めている。 (C)時事通信社