新型コロナウイルス治療薬の開発をめぐり、ジャスダック上場の医療ベンチャー「テラ」(東京都新宿区)の株価をつり上げるため虚偽情報を開示させたとして、警視庁捜査2課は25日、金融商品取引法違反(偽計)などの容疑で、同社の業務提携先だった医療機器開発「セネジェニックス・ジャパン」(千代田区、破産手続き中)前社長竹森郁容疑者(50)=港区浜松町=ら3人を逮捕した。
 警視庁と東京地検特捜部は同日、代表者が政界に広く人脈を持ち、竹森容疑者とも交流があるとされる中央区のコンサルティング会社など複数の関係先を家宅捜索した。
 他に逮捕されたのは会社役員小池宣己(76)=川崎市中原区=、投資顧問会社社長山崎平馬(49)=千代田区三番町=両容疑者。同課は竹森容疑者が主犯格とみている。3人の認否は明らかにしていない。
 逮捕容疑は2020年9~10月、第三者割当増資でセネ社から約35億円を資金調達するとしたテラ社の発表をめぐり、セネ社の資金元の口座に十分な資金があると装うため、残高を改ざんした預金通帳のデータを東京証券取引所などに提出。株価をつり上げる目的で、虚偽情報を投資家に公表させるなどした疑い。
 テラ社は同年4月、コロナ治療薬の開発に乗り出すと発表し、100円台だった同社の株価はピークの6月には2000円台に高騰した。その後、600円台まで下落したが、増資発表後には一時900円台まで上昇した。
 テラ社は21年8月、社内調査の結果として、20年4月以降の適時開示情報60件のうち、4割が事実と異なっていたと発表していた。
 テラ社をめぐっては、内部情報を入手してインサイダー取引をしたとして、警視庁が今月4日、山崎容疑者ら3人を金商法違反容疑で逮捕した。
 東京地検特捜部は25日、3人に加え横浜市の建設会社1社を同法違反罪で起訴した。これに先立ち監視委が24日に告発していた。 (C)時事通信社