ロシア軍によるウクライナ侵攻で、日本企業のビジネスにも影響が広がっている。現地拠点の業務停止に踏み切る進出企業が相次ぎ、代替生産の検討などサプライチェーン(供給網)の混乱長期化に備える動きも始まった。
 日本たばこ産業は、ウクライナ中部にある工場の操業を中止している。この工場は葉巻たばこ「キャメル」などを生産し、日本にも一部を輸出。従業員に日本人はおらず、約900人の現地スタッフ全員の安全を確認済みという。
 トヨタ自動車によると、住友商事が出資、運営する首都キエフの販売会社と国内37店舗は24日から営業を停止。「カローラ」「カムリ」などトヨタ車はウクライナで16%ほどのシェアを持つ。
 このほか、富士フイルムホールディングスはキエフのデジタルカメラ販売拠点の業務を停止。フジクラは西部のワイヤハーネス工場の操業を中止した。
 住友電気工業は西部のワイヤハーネス工場の操業を停止する一方、供給網の混乱に備え「国外の工場で代替生産を検討している」という。サワイグループホールディングスはウクライナから抗がん剤の原薬を調達しているが、年内には調達網をドイツにも広げる方針だ。
 一方、伊藤忠商事やセイコーエプソン、楽天グループなどは在宅勤務を活用しながら業務を継続。南部オデッサを拠点に対話アプリサービスなどを展開する楽天は「従業員の安全には最大限配慮する」と説明している。
 帝国データバンクによると、ウクライナに進出する日本企業は今年1月時点で57社。現地での事業規模は大きくないが、従業員らの安全を最優先に刻一刻と変化する情勢を注視している。 (C)時事通信社