間もなく3月。新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」が流行する中、本格的な花粉症シーズンが始まる。両者は鼻水やくしゃみなど症状が似ている面もあるため、感染者が花粉症と思い込んで行動し、感染を広げる恐れもある。専門家は「鼻水などが出たらすぐに治療し、症状を抑えることが感染拡大防止に重要」と注意を促す。
 民間気象会社ウェザーニューズ(千葉市)は、関東や九州など20都県で24日までに花粉の飛散が始まったと発表した。飛散予想量は昨年比で北日本(北海道・東北)や北陸で多く、関東や東海は同程度、西日本では少ない。飛散のピークは、スギが2月末~3月中旬、ヒノキは3月下旬~4月中旬の見通しだ。
 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会によると、英国での大規模調査の結果、オミクロン株感染者の73%に鼻水、60%にくしゃみの症状があり、花粉症との区別は難しい。そのため、感染後も花粉症と思い込んで行動抑制などをせず、くしゃみなどを通じて周囲に感染を広げる恐れがある。
 同学会でコロナ対策を担当する荏原病院の木村百合香・耳鼻咽喉科医長は「症状には個人差がある」とした上で、「目のかゆみだけなら花粉症の可能性が高いが、発熱や強い喉の痛み、動けないくらいのだるさがあれば感染を疑うべきだ」と話す。
 木村医長は「花粉症の経験がないのに鼻水やくしゃみが突然出たら感染の恐れがある。医師に相談してほしい」と呼び掛け、「『花粉症だろう』と勝手に判断するのは危険だ」と訴えた。
 花粉症に詳しい日本医科大大学院の大久保公裕教授は「誰が感染していてもおかしくない現状では、花粉症を『自分だけの病気』と考えない方がいい」と指摘。「鼻水やくしゃみが少しでも出たら、すぐに服薬などで症状を抑えてほしい。早期治療が(自分が感染していた場合の)拡大防止のためにも重要だ」と強調した。 (C)時事通信社