新型コロナウイルス治療薬開発をめぐり、医療ベンチャー企業「テラ」(東京都新宿区)に虚偽情報を開示させた事件で、業務提携先の医療機器開発「セネジェニックス・ジャパン」(千代田区、破産手続き中)前社長竹森郁容疑者(50)らが、実際には数十万円しかない資金調達元の口座残高を、75億円超と偽装していたことが26日、警視庁への取材で分かった。
 同庁捜査2課は同日、竹森容疑者ら3人を金融商品取引法違反容疑などで送検。虚偽情報を投資家に公表させ、テラ社の株価を不正につり上げようとしたとみて捜査を進める。
 同課によると、3人は第三者割当増資をしてセネ社から約35億円を調達するとしたテラ社の発表をめぐり、残高を改ざんした通帳のデータを東京証券取引所などに送信。テラ社に虚偽情報を開示させた疑いが持たれている。
 併せて、残高を確認したとする弁護士名義の偽造書類も提出していたという。
 テラ社は2020年10月、セネ社の資金調達元だった飲食店経営会社(豊島区)について、「通帳の写しを入手し、口座残高が75億円を超えていることを確認した」「資金を保有しているという保証書を受領した」などと公表。セネ社には、増資を引き受けるだけの資金の裏付けがあるとしていた。
 第三者割当増資の払込期日は20年11月13日だったが、数回にわたり延期され、最終的にテラ社に支払われたのは約100万円だった。同社は違約金10億円や遅延損害金の支払いなどを求めたが、セネ社からの応答はなかった。 (C)時事通信社