米・University of California, San FranciscoのErin L. Van Blarigan氏らは、結腸がん診断後の赤身肉・加工肉の摂取とがんの再発・死亡リスクとの関連を検討するため、ステージⅢの結腸がん患者1,011例を対象に、前向きコホート研究を実施。その結果、両者に関連はなかったと、JAMA Netw Open2022; 5: e220145)に発表した(関連記事「肉の摂取量と疾患リスクの関係は?」、「赤肉で胆道がんリスクが回避!?」)。

食物摂取頻度質問票で調査

 米国がん協会(ACS)および米国がん研究所・世界がん研究基金(AICR/WCRF)は、赤身肉と加工肉の摂取が発がんリスクに関連するというエビデンスに基づき、がん生存者に対しそれらの摂取制限を推奨している。ただし、両者で肉の分類や推奨摂取量は異なっており、がん診断後の赤身肉・加工肉の摂取と、がん再発・死亡リスクとの関連を調べた研究は少ない。

 そこでVan Blarigan氏らは、結腸がん患者を対象に未加工の赤身肉・加工肉の摂取とがんの再発・死亡リスクとの関連を調べる目的で、前向きコホート研究を行った。

 対象は、1999~2001年にCancer and Leukemia Group B(CALGB 89803/Alliance)試験に登録され、化学療法中(診断後約3カ月)に調査に協力したステージⅢの結腸がん患者1,011例(年齢中央値60歳、女性44%、白人89%)。除外項目は、女性で1日当たりの推定総エネルギー摂取量が500kcal未満または3,500kcal以上、男性で800kcal未満または4,200kcal以上、食物摂取頻度質問票(FFQ)で70項目以上欠落、最初の調査終了後3カ月以内のがん再発または死亡とした。

 未加工の赤身肉および加工肉の摂取量は、化学療法中および化学療法後6カ月(診断後約15カ月)にFFQで評価し、四分位値を求めた。FFQでは過去3カ月間における130項目以上の食品の摂取量について質問。未加工の赤身肉にはハンバーガーやサンドイッチ、混合料理(シチューやラザニアなど)に含まれる牛肉、豚肉、羊肉などが、加工肉には牛肉や豚肉、鶏肉のホットドッグ、サラミ、ボローニャソーセージ、その他の加工肉サンドイッチ、ソーセージ、ベーコンなどが含まれた。2回のFFQから診断後の平均累積摂取量を算出し、追跡期間に比例して加重平均した。

 主要評価項目は、結腸がんの再発、新規発生、全死亡の複合とし、副次評価項目は全死亡のリスクとした。

 なお、解析に用いた試験のデータベースは2009年11月9日に凍結され、解析は21年12月に完了した。

がん生存者の食事ガイドラインの作成に役立つ可能性

 中央値6.6年の追跡期間中に、死亡が305例、死亡を伴わない結腸がんの再発が81例発生した(計386イベント)。

 解析の結果、未加工の赤身肉の摂取量が最も少ない第1四分位群に対し、摂取量が最も多い第4四分位群ではがんの再発率または死亡率が低かったが、有意差はなかった〔ハザード比(HR)0.84、95% CI 0.58〜1.23、傾向性のP=0.33〕。加工肉でも、第4四分位群と第1四分位群で有意差はなかった(同1.05、0.75〜1.47、傾向性のP=0.94)。

 全死亡率についても同様に、未加工の赤身肉摂取量の第1四分位群に対する第4四分位群のHRは0.71(95%CI 0.47〜1.07、傾向性のP=0.11)、加工肉摂取量のHRは1.04(同0.72〜1.51、傾向性のP=0.95)で、いずれも有意差はなかった。

 以上から、ステージⅢの結腸がん患者における診断後の未加工の赤身肉または加工肉の摂取は、再発または死亡のリスクと関連しなかった。

 Van Blarigan氏は「今回の研究には、赤身肉・加工肉の摂取量は自己申告に基づく、残存交絡因子の存在を排除できないなどの限界はあるが、結果はがん患者へのカウンセリングやがん生存者に特化した食事ガイドラインの作成に役立つ可能性がある」と述べている。

(今手麻衣)