塩野義製薬は本日(3月4日)、開発中の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチンS-268019について、国内第Ⅱ/Ⅲ相追加免疫試験に関する中間報告を公表した。同試験はファイザー製mRNAワクチン(トジナメラン)に対する非劣性試験で、主要評価項目〔SARS-CoV-2中和抗体価の幾何平均抗体価(GMT)および抗体応答率における非劣性〕を達成したという。(関連記事:「塩野義がコロナ経口薬申請、国内企業初」

接種29日目の免疫原性を検証

 国内第Ⅱ/Ⅲ相追加免疫試験では、トジナメランの2回接種から6カ月以上が経過した成人206例をS-268019群とトジナメラン群に1:1でランダムに割り付けて、3回目接種(追加接種)を実施。追加接種における免疫原性について、トジナメランに対するS-268019の非劣性および安全性を検証した。主要評価項目は、接種29日目のSARS-CoV-2中和抗体価のGMTおよび抗体応答率、副次評価項目はそれ以外の免疫原性、安全性、臨床的有効性とした。

 解析の結果、接種29日目におけるSARS-CoV-2中和抗体価のGMTは、トジナメラン群の108.20(95%CI 94.57〜123.80)に対しS-268019群では126.42(同109.76〜145.62)、抗体応答率は両群とも100%で、トジナメランに対するS-268019の非劣性が示された(順に非劣性の片側P<0.0001、P=0.0004)。

 副反応の発現率はS-268019群が96.1%、トジナメラン群が98.1%。S-268019群で高頻度に認められたのは、好中球増加が75.7%、接種部位疼痛が67.0%、倦怠感が43.7%、筋肉痛が40.8%、発熱が38.8%、頭痛が25.2%だった。

 現在、塩野義製薬では同試験に加え、成人60例を対象とする国内第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験、成人および高齢者3,100例を対象とする国内第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験など複数の臨床試験を並行して実施している。同社は「国内の承認申請に向けて、今年(2022年)2月に医薬品医療機器総合機構(PMDA)との事前評価相談を開始しており、臨床試験の進捗および結果に基づき、厚生労働省やPMDAなどと協議を進めたい」としている。

(平山茂樹)