政府は児童福祉法などの改正案を4日閣議決定し、子育てに悩む家庭が虐待に至らないよう、支援強化などを打ち出した。これまでも親による体罰を法律で禁じるなど対策を重ねてきたが、全国の児童相談所(児相)が対応する虐待相談件数は30年連続で増加。2020年度は初めて20万件を超えるなど歯止めがかかっていない。
 厚生労働省の専門委員会の検証結果によると、心中を除く子どもの虐待死も大きく減っておらず、毎年50件程度発生している。死亡する子どもは0~2歳児が多く、背景には核家族化や地域のつながりの希薄化で、誰にも相談できず孤立する親の存在も浮かび上がる。
 こうしたことから改正案では、妊産婦や子育て世帯の相談を受ける「こども家庭センター」の設置を市区町村の努力義務とする規定を設けた。また、対応する児相職員の専門性を高める資格を創設することも盛り込んだ。
 児相や自治体の負担増は避けられない見通しだが、虐待相談件数や死亡事例を減少に転じさせるには、法案で打ち出した支援策が着実に行われる必要がある。施行予定の24年度に向け、国などには入念な準備が求められる。 (C)時事通信社