不妊に悩む夫婦が第三者の精子・卵子を用いて子を授かる生殖補助医療の在り方を考える超党派の議員連盟(会長・野田聖子少子化担当相)は7日、同医療のルールを定めた法案の「たたき台」をまとめた。生まれた子の「出自を知る権利」を保障するため、精子・卵子の提供者情報を公的機関で100年間保存することが柱だ。
 議連メンバーはたたき台をそれぞれ党に持ち帰り、了承を得られれば、法案の「骨子」づくりに入る。議連は法制化を急ぎたい考えだが、各党には生殖補助医療に関して慎重論もあり、議論は曲折が予想される。
 たたき台では生殖補助医療を認めるケースを、医学的に不妊とされる夫婦による(1)第三者の精子を用いた人工授精(2)第三者の精子と妻の卵子を用いた体外受精(3)夫の精子と第三者の卵子を用いた体外受精―の3類型に限定。事実婚や同性のカップルは対象外としたが、法律の公布後5年をめどに対象者の範囲は検討するとしている。
 生まれた子が将来、自身の出自を知ろうとする場合に備え、生殖補助医療に関わる医療機関は、夫婦、生まれた子、精子・卵子の提供者の氏名、住所、生年月日、マイナンバーなどの情報を独立行政法人に提出すると明記。独立行政法人はこれらの情報を100年間保存するとした。
 子どもが成人後に提供者の情報開示を望んだ場合、提供者が生存している限りで独立行政法人は本人に問い合わせ、回答を得た範囲で子どもに伝えるとしている。
 精子・卵子の提供に関わる医療機関、人工授精・体外受精を実施する医療機関、両者をつなぐあっせん機関は、厚生労働相の認定・許可が必要とした。精子・卵子・胚の売買を禁じる規定や、違反した場合の罰則規定も盛り込んだ。
 生殖補助医療をめぐっては、生まれた子の親子関係を定めた民法特例法が2020年12月に成立。同法は「出自を知る権利」や代理出産の是非などの課題について「おおむね2年」で検討すると付則で定めている。 (C)時事通信社