内閣府が9日発表した2021年10~12月期の実質GDP(国内総生産)改定値は、年率換算で前期比4.6%増と、速報値(5.4%増)から下方修正された。22年1~3月期は、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」流行で再びマイナス成長に陥るとの見方が広がる。ロシアによるウクライナ侵攻で資源価格の高騰に拍車が掛かり、景気の先行きに不透明感が強まっている。
 21年10~12月期の実質GDP改定値は2四半期ぶりのプラス成長。個人消費は下方修正されたが、コロナ感染がいったん落ち着き、サービス消費の回復が全体をけん引した構図は変わらない。
 しかし、22年1~3月期は感染急拡大で、消費の失速が避けられない。野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは、まん延防止等重点措置の長期化が個人消費を4兆円押し下げ、「1~3月期の実質GDPは年率換算で2%程度のマイナス成長に陥る」と指摘する。
 民間エコノミストは、感染者数の減少で4~6月期以降に景気が回復に向かうと想定していたが、ウクライナ危機が下振れリスクに浮上。資源大国のロシアからのエネルギー供給の停止懸念から、原油価格の代表的な指標である米国産WTI先物は一時、1バレル=130ドルを突破した。
 第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは、22年の原油価格が平均120ドルで推移すると、家計のエネルギー関連負担は年間6万8000円増えると試算する。資源価格の急騰は家計の購買力や企業収益を押し下げ、消費や設備投資を冷え込ませる恐れがある。
 21年10~12月期の年率換算の実質GDP実額は540兆円。21年度中にコロナ禍前の19年10~12月期の水準(542兆円)を回復する政府目標の達成は「22年4~6月期までずれ込む」(ニッセイ基礎研究所)との見方が強い。 (C)時事通信社