米・City of Hope Comprehensive Cancer CenterのNazli Dizman氏らは、転移性腎細胞がん患者を対象に、免疫チェックポイント阻害薬のニボルマブとイピリムマブの併用療法への生菌製剤Clostridium butyricum MIYAIRI(CBM)588の上乗せ効果を検証する医師主導第Ⅰ相試験を実施。その結果、CBM588の上乗せにより無増悪生存期間(PFS)が有意に延長することが示されたと、Nat Med2022年2月28日オンライン版)に発表した。

PFS中央値:併用療法群2.5カ月 vs. 上乗せ群12.7カ月

 これまでの研究から、腸内細菌叢ががん患者の免疫チェックポイント阻害薬への免疫応答に影響を与えることが分かっている。

 Dizman氏らは、CBM588が腸内細菌叢の変化を介して、免疫チェックポイント阻害薬への免疫応答を増強させると仮定。転移性腎細胞がん患者において、ニボルマブとイピリムマブの併用療法へのCBM588の上乗せ効果を検証した。

 対象は、免疫チェックポイント阻害薬による治療を受けた経験がない18歳以上の転移性腎細胞がん患者30例(年齢中央値66歳、男性72%)。ニボルマブ(3mg/kg)およびイピリムマブ(1mg/kg)を3週間ごとに12週間投与後、ニボルマブ(480mg)を月1回継続する併用療法群と、併用療法にCBM588(80mg)を1日2回上乗せする群に、1:2でランダムに割り付け、中央値で12.2カ月(95%CI 10.6~13.8カ月)追跡した。登録時と12週間後に採取した糞便を用いて、腸内細菌叢のメタゲノム解析を行った。

 主要評価項目は、腸内細菌叢におけるビフィズス菌属の相対的存在量、副次評価項目は治療の奏効率、PFS、安全性とした。

 CBM588上乗せ群の1例を除く29例について解析したところ、12週後のビフィズス菌属の相対的存在量に併用療法群との有意差は認められなかった。

 しかしながらPFS中央値は、併用療法群の2.5カ月に対しCBM588上乗せ群では12.7カ月と有意に延長した〔ハザード比(HR)0.15、95%CI 0.05~0.47、P<0.001〕。

部分奏効達成率:20% vs. 58%

 部分奏効の達成率は、併用療法群の20%(2例)に対し、CBM588上乗せ群では58%(11例)と高い傾向が認められた(P=0.06)。有害事象に両群間で有意差は認められなかった。

 以上から、Dizman氏らは「CBM588は、ニボルマブとイピリムマブの併用療法を行う転移性腎細胞がん患者の臨床転帰を改善させうることが示された」と結論。「今回の結果の検証と腸内細菌叢や免疫応答に及ぼす影響の詳細な解明には、大規模な研究の実施が必要だ」と付言している。

(比企野綾子)