政府は12日、新型コロナウイルス対策で東京、大阪、愛知など18都道府県に適用中のまん延防止等重点措置について、21日の期限をもって全面解除する検討に入った。都市部を中心に病床使用率は依然高いものの改善を見込んでいるためで、都道府県の意向も踏まえ最終判断する。
 10日時点の集計では18都道府県のうち、青森、茨城、熊本を除き新規感染者数が1週間前より減少。変異株「オミクロン株」の一時の猛威は収まりつつある。松野博一官房長官は11日の記者会見で「『第6波』の出口に向けて、今後は社会経済活動の維持とのバランスを意識しながら対策を考えることが重要になってくる」と語った。
 解除を決めれば岸田文雄首相が16日にも記者会見して方針を表明する。
 病床使用率は千葉、神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫の6府県で依然50%を超える高水準にある。ただ、専門家らでつくる新型コロナ対策分科会は11日、病床使用率が5割超でも新規感染者数が減少傾向にある場合、重点措置の解除は可能とする方針を決定。この新基準に照らして、全面解除できる可能性が出てきた。
 岸田政権は重点措置の「出口」を模索。春の卒業・入学シーズンに合わせて経済を再起動させ、参院選もある夏に向け、徐々に正常化を図りたい思惑がある。ブレーキ役となることが多い専門家らにも、軽症者が多いオミクロン株の特徴や、社会活動を止める弊害を踏まえ、解除への理解が広がっている。
 しかし、オミクロン株の別系統でより感染力が強いとされる「BA.2」への置き換わりが懸念されている。春休み前に重点措置を解除すれば「リバウンドを招く」との見方もあり、このタイミングでの全面解除はリスクをはらむ。 (C)時事通信社