【ワシントン時事】世界銀行の教育問題責任者ハイメ・サアベドラ氏(元ペルー教育相)は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた学校閉鎖の影響で、世界は「一世代を失うリスクがある」と述べ、学習の遅れが貧困などの社会問題を助長しかねないと警告した。日本には開発途上国の窮状を踏まえ、教育分野での支援を拡大するよう要請した。時事通信のインタビューに12日までに応じた。
 サアベドラ氏は「アジアや中南米、中東などの一部では、学校閉鎖がほぼ2年に及んでいる」と指摘。学校再開に当たり、子どもたちの学力把握やカリキュラムの見直し、教員への支援を含めた「学校システムに関する極めて複雑な政策が求められる」と強調した。その上で、教育の再建に向け「すべての国が切迫感を持ち、政治的に深く関与していくことが重要だ」と語った。
 「過去100年で最悪の教育危機」(サアベドラ氏)を乗り切るには、教育分野への積極的な財政支出が不可欠だ。しかし、ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに、生活を支える食料や原油の価格が世界的に高騰。サアベドラ氏は、こうした情勢が途上国の財政をさらに圧迫し、「教育への支出に打撃を及ぼしかねない」と懸念を深める。
 サアベドラ氏は日本に対し、教員養成などの技術支援に加え、「教育分野における資金支援の拡大がとりわけ重要だ」と訴えた。 (C)時事通信社