米・ギリアド・サイエンシズは3月7日、抗Trop-2抗体薬物複合体(ADC)sacituzumab govitecanが、ホルモン療法、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6阻害薬投与、2〜4ラインの化学療法を施行したホルモン受容体(HR)陽性かつHER2陰性転移性乳がん患者の無増悪生存(PFS)を改善したと発表した。同薬の有効性と安全性を検証した第Ⅲ相臨床試験TROPiCS-02において、主要評価項目を達成したという。(関連記事:「難治乳がんに著効のsacituzumab govitecan、日本での開発戦略は?」

詳細は今後学会で発表予定

 sacituzumab govitecanは、複数の腫瘍タイプで高頻度に発現するTrop-2を標的とする抗体に、トポイソメラーゼⅠ阻害薬SN-38を結合したADCである。手術による切除が不能または転移したトリプルネガティブ乳がん(TNBC)を適応症として、2020年4月に米国で迅速承認、2021年4月に正常承認され、その後欧州でも2021年12月に承認された。(関連記事「米・難治乳がんへの抗体薬物複合体sacituzumab govitecanが正常承認」「sacituzumab govitecan、進行TNBCの二次治療で欧州で承認」)

 TROPiCS-02は、ホルモン療法、CDK4/6阻害薬投与、2〜4ラインの化学療法を施行したHR陽性かつHER2陰性転移性乳がん患者543例を、sacituzumab govitecan群と医師選択化学療法群(エリブリン、カペシタビン、ゲムシタビン、ビノレルビンのいずれか)に1:1でランダムに割り付けた国際多施設第Ⅲ相非盲検ランダム化比較試験。主要評価項目はRECIST ver1.1基準に基づくPFS、副次評価項目は全生存(OS)、奏効期間、臨床的有効率、全奏効率、安全性、忍容性、QOLなどとした。

 検討の結果、医師選択化学療法群に対しsacituzumab govitecan群でPFSの有意な延長が認められ、主要評価項目を達成した。また、副次評価項目に関する初回中間解析ではOSの延長傾向が認められた。安全性プロファイルはこれまでの研究と一致しており、有害事象に関する新たな懸念は見られなかった。

 TROPiCS-02の詳細なデータは、近日中に学会で発表予定だという。同社は「これらのデータは、治療歴のあるHR陽性かつHER2陰性転移性乳がん患者の重要なアンメットニーズに応えることができる可能性を示すものだ」としている。

(平山茂樹)