新型コロナウイルス対策で適用された、まん延防止等重点措置の全面解除方針が16日夜、示された。新規感染者数は減少傾向が続くが、全国で高止まり状態となっている。オミクロン株の別系統「BA.2」への置き換わりによる感染再拡大も懸念され、専門家は「解除イコール収束ではない」とくぎを刺す。
 西浦博京都大教授らによると、BA.2は従来のBA.1と比べ、感染者1人が平均して他人にうつす人数「実効再生産数」が26%高いとされる。感染者から別の人にうつるまでの期間「世代時間」は15%短く、強い感染力がうかがえる。一方、両者の入院リスクは同程度で、ワクチン接種による発症予防効果にも差がないとみられる。
 BA.2の市中感染は各地で相次ぎ、新型コロナ対策を助言する厚生労働省専門家組織は15日、感染例の約3割を占めていると指摘した。国立感染症研究所によると、4月の第1週には70%、5月第1週には97%になると推定され、座長の脇田隆字所長は「置き換わりにより、感染が増加傾向に転じる可能性がある」と警戒する。
 東京医科大の浜田篤郎特任教授(渡航医学)は「新規感染者数は第6波のピークから半減した。医療逼迫(ひっぱく)の度合いも一部地域を除いて改善しており、重点措置解除は妥当」と指摘する。一方、BA.2については「置き換わりにより第6波が長引く恐れがある」と述べた。
 浜田氏は、4月にかけて歓送迎会や花見など感染リスクが高い行事が続くことを懸念。ワクチンの3回目接種率も約3割にとどまるとした上で「不安要素を抱えての解除になる。第6波は収束しておらず、解除後も3密回避や手洗いなどを一人ひとりが徹底してほしい」と訴えた。 (C)時事通信社