国立感染症研究所は3月15日に開催された第76回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードに基づき、今年(2022年)3月9〜15日時点における日本の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の最新状況を報告。感染者動向の見通しや注意点について解説した。

全国的に新規感染者数の減少が継続

 全国の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)新規感染者数は今週先週比が0.87で、1週間では10万人当たり約296人と減少が継続している。年代別の新規感染者数は全ての年代で減少が継続している。

 まん延防止等重点措置が適用されている18都道府県のうち、14都道府県で今週先週比が1以下となり、新規感染者数は減少が継続している。一方で、3月6日の期限をもって重点措置区域の適用が解除された13県のうち、福島県、新潟県、長野県、広島県、宮崎県で今週先週比が1以上となっている。

全国の新規感染者数減少の動きに伴い、療養者数、重症者数および死亡者数は減少が継続している。実効再生産数は、2月27日時点で0.97と1を下回る水準となっており、首都圏では0.97、関西圏では0.94となっている。

東京都では今週先週比が1を下回るも、感染者数は全国で最大

 重点措置区域における地域別の新規感染者数の動向は下記の通り。感染者数は3月9〜15日の1週間における対人口10万人の値となる。

北海道

 今週先週比が0.90と1を下回り、約214人(札幌市は約268人)。30歳代以下が中心。病床使用率は3割弱だった。

東北

 青森県では今週先週比が1.08と1を上回り、約279人。30歳代以下が中心で特に10歳未満が多く、病床使用率は4割強だった。

北関東

 群馬県では今週先週比が0.98と1を下回り、約215人。30歳代以下が中心。栃木県でも今週先週比が0.91と1を下回り、約189人。茨城県では1.03と1を上回り、約350人。病床使用率はそれぞれ4割強、3割強、3割弱だった。

首都圏(1都3県)

 東京都では今週先週比が0.83と1を下回っているが、約430人と全国で最も高い。30歳代以下が中心で病床使用率は4割強、重症病床使用率は4割弱。埼玉県、千葉県、神奈川県でも今週先週比がそれぞれ0.87、0.91、0.86と1を下回り、新規感染者は約357人、約349人、約402人だった。病床使用率は4割強、 5割強、5割強で、重症病床使用率は約2割、1割強、3割弱だった。

北陸

 石川県では今週先週比が0.89と1を下回り、約231人。20歳代以下が中心で、10歳未満が高水準で横ばいに推移していた。病床使用率は2割強だった。

中京・東海

 愛知県では今週先週比が0.79と1を下回り、約299人。20歳代以下が中心で病床使用率は5割強、重症病床使用率は2割弱だった。岐阜県、静岡県でも今週先週比がそれぞれ0.93、0.94と1を下回り、新規感染者数は約188人、約226人。病床使用率は4割弱、約3割だった。

関西圏

 大阪府では今週先週比が0.78と1を下回り、約417人。30歳代以下が中心で、病床使用率は約6割、重症病床使用率は約5割だった。京都府、兵庫県でも今週先週比がそれぞれ約0.83、0.84と1を下回り、新規感染者数は約298人、約343人。病床使用率は4割強、約5割で、重症病床使用率は京都では2割強だった。

四国

 香川県では今週先週比が1.08と増加に転じ、約301人。30歳代以下が中心で、病床使用率は4割強、重症病床使用率は2割強だった。

九州

 熊本県では今週先週比が1.10と1を上回り、約262人。20歳代以下が中心で、病床使用率は3割強だった。

 重点措置区域以外の地域については、沖縄県では今週先週比が0.81と減少に転じ、約308人。20歳代以下が中心だが10歳代で増加が見られ、病床使用率は約3割、重症病床使用率は2割強だった。

 その他の地域については、今週先週比が1を上回る水準で増加したのは山形県、福島県、新潟県、福井県、山梨県、長野県、広島県、山口県、愛媛県、宮崎県。今週先週比が1を下回る水準だったのは岩手県、宮城県、秋田県、富山県、三重県、滋賀県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、徳島県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、大分県、鹿児島県だった。

新規感染者数の減少は緩やか、当面は高いレベルで推移か

 全国的に見れば新規感染者数の緩やかな減少が続いている一方、10歳代以下の割合は増加傾向が継続し、高い水準にある。高齢者では介護福祉施設や医療機関での感染が継続している。

 感染レベルが高かった地域の多くで減少傾向が続くものの、感染レベルが低かった地域では減少傾向が弱く、下げ止まりや増加も見られるなど、地域差が存在する。下げ止まりや増加の地域では10歳代未満の増加が目立つが、地域によってはさまざまな年代での増加傾向も見られる。

 継続的な減少傾向が見られた昨夏の感染拡大状況とは異なり減少は緩やかで、少なくとも当面の間は新規感染者数が高いレベルで推移すると予想されるという。今後はオミクロン株BA.2系統への置き換わりによる感染者の再増加、接触の機会が増える春休みや年度替わりを起因とした感染状況への影響に注意が必要である。

(編集部)