米国では、日本に先駆けて昨年(2021年)11月に、ファイザー製新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン(トジナメラン)の接種推奨年齢に5~11歳が加えられた。米疾病対策センター(CDC)COVID-19 Emergency Response TeamのAshley L. Fowlkes氏らは、コホート研究で5~15歳の小児に対するワクチン接種の有効性を検証。その結果、オミクロン株の感染リスクが5~11歳で31%、12~15歳で59%低減したと報告した(MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2022; 71: 422-428)。

5~11歳1,052例、12~15歳312例での解析

 Fowlkes氏らは、2021年7月~22年2月に、米国4州(アリゾナ、フロリダ、テキサス、ユタ)に在住する5~15歳の児1,364例〔女児52%、5~11歳1,052例(77%)、12~15歳312例(23%)〕を対象に、ワクチンの有効性を検証した。

 登録時に、保護者から児の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の既往や健康状態などの情報を収集。ワクチンの接種状況は、ワクチンカード、電子医療記録、州の免疫登録により把握した。感染状況は、週1回の調査と逆転写ポリメラーゼ連鎖反応検査、全ゲノム解析で確認した。

ワクチン接種後に発症した児ではベッド上での安静期間が短縮

 観察期間中に、5~11歳の381例、12~15歳の127例がCOVID-19を発症。うちオミクロン株陽性はそれぞれ352例(93%)、97例(76%)だった。

 ワクチン未接種児での発症は252例。うち140例(55.6%)が有症状、112例(44.4%)が無症状だった。有症状児の割合は、デルタ株感染の67例65.7%(67例)に対し、オミクロン株感染で48.7%(73例)と少なかった(粗オッズ比0.5、95%CI 0.3~0.8)。症状の継続期間は平均6.9日、ベッド上での安静期間は平均1.9日だった。デルタ株感染児に比べオミクロン株感染児の症状の平均継続期間は有意に短かった(8.6日 vs. 5.3日、P=0.006)。

 ワクチンを2回接種したのは、5~11歳児の682例と12~15歳児の212例。2回目接種からの経過期間は前者が14~82日、後者が14~149日だった。

 ワクチン接種後14~149日の間にオミクロン株に感染した186例のうち、70例(37.6%)は無症状だった。有症状児におけるベッド上での安静期間の平均値は1.4日で、ワクチン未接種の児に比べ有意に0.6日短かった(95%CI -1.1~-0.1日、P=0.016)。

オミ株は5~11歳で31%、12~15歳で59%のリスク減

 社会人口統計学的特性、健康状態、社会的接触度、マスクの着用状況、居住地、地域の感染状況を調整した解析によると、ワクチンを接種した5~11歳児では、未接種児に比べオミクロン株の感染リスクが31%低減していた〔調整vaccine effectiveness(aVE)31%、95%CI 9~48%〕。

 また、ワクチンを接種した12~15歳児では、未接種の児に比べデルタ株、オミクロン株の感染リスクがそれぞれ87%(aVE 87%、95%CI 49~97%)、59%(同59%、22~79%)低減していた。

 以上を踏まえ、Fowlkes氏らは「5~15歳児へのワクチン2回接種が、オミクロン株の感染予防に有効であることが示された」と結論した。

(比企野綾子)