閉経後の進行乳がん患者に対するサイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6阻害薬ribociclib+アロマターゼ阻害薬レトロゾール併用の有効性と安全性を検討する第Ⅲ相ランダム化比較試験MONALEESA-2。ribociclib+レトロゾール併用により、レトロゾール単剤投与と比べて無増悪生存(PFS)が有意に延長したことが既に報告されている(関連記事「併用で進行乳がん治療抵抗性を克服」)。最終解析において、主要な副次評価項目である全生存(OS)についても有意な延長が示された。米・University of Texas MD Anderson Cancer CenterのGabriel N. Hortobagyi氏らがN Engl J Med2022; 386: 942-950)に報告した。

追跡期間6.6年で最終解析

 MONALEESA-2試験では、閉経後の進行乳がん患者への一次治療におけるribociclib+レトロゾール併用の有効性と安全性について、レトロゾール単剤投与を対照に評価。最新の解析では主要評価項目であるPFSの有意な延長が示されている〔中央値25.3カ月 vs. 16.0カ月、ハザード比(HR)0.57、95%CI 0.46~0.70、P<0.001〕。今回、副次評価項目であるOSの最終解析結果が報告された。

 対象は、閉経後のホルモン受容体(HR)陽性、ヒト上皮成長因子受容体(HER)2陰性の再発または転移性乳がんで、全身療法未治療の患者668例。2014年1月24日〜15年3月24日にribociclib 600mg/日の3週間投与1週間休薬+レトロゾール 2.5mg/日を投与するribociclib群(334例)とプラセボ+レトロゾール 2.5mg/日を投与するプラセボ群(334例)にランダムに割り付けられた。

 400例〔ribociclib群334例中181例(54.2%)、プラセボ群334例中219例(65.6%)〕の死亡が認められた後に最終解析が行われた。OSのデータカットオフ日は2021年6月10日で、追跡期間の中央値は80カ月(6.6年)だった。

OS中央値は併用が単剤投与よりも12カ月以上長い

 解析の結果、OS中央値はプラセボ群の51.4カ月(95%CI 47.2~59.7カ月)に対してribociclib群では63.9カ月(同52.4~71.0カ月)と有意な延長が認められた(HR 0.76、95%CI 0.63~0.93、P=0.008)。

 60カ月時点の推定全生存率はプラセボ群の43.9%(95%CI 38.3~49.4%)に対してribociclib群では52.3%(同46.5~57.7%)、72カ月時点ではそれぞれ32.0%(同26.8~37.3%)、44.2%(同38.5~49.8%)だった。

 試験投薬終了後の後治療はribociclib群の87.8%、プラセボ群の90.2%で行われた。後治療でCDK4/6阻害薬が投与されたのはそれぞれ21.7%、34.4%だった。化学療法開始までの期間中央値はプラセボ群の38.9カ月に対してribociclib群は50.6カ月だった(HR 0.74、95%CI 0.61〜0.91)。

 有害事象に関するプロファイルは既報と同様で、新たな安全性シグナルは認められなかった。

 以上から、HR陽性HER2陰性の進行乳がん患者に対するribociclib+レトロゾール併用は、レトロゾール単剤投与と比べてOSを有意に延長し、OS中央値はレトロゾール単剤投与よりも12カ月以上長かったことが示された。

一貫したOSに対する有益性

 これまでに進行乳がん患者に対するribociclibを評価した試験では、いずれもOSの有意な改善が認められている。閉経前HR陽性HER2陰性進行乳がん患者を対象としたMONALEESA-7試験では、ホルモン療法+ribociclib併用によりホルモン療法単独と比べてOSの有意な延長が示されている。閉経後HR陽性HER2陰性進行乳がん患者を対象としたMONALEESA-3試験でも、ribociclib+フルベストラント併用の一次/二次治療において、フルベストラント単剤投与に比べたOSの有意な延長が得られている。

 Hortobagyi氏らは「これらの試験結果を踏まえると、ribociclibは併用するホルモン療法や薬剤、閉経の有無にかかわらず、一貫してOSに対する有益性が示されている。今回、5年以上のOSが得られたことから、閉経後乳がん患者の一次治療におけるribociclibの導入は支持できる」と結論している。

 なお、日本においてはribociclibの開発は中止されている。

(今手麻衣)