【ロンドン時事】英首相官邸などで新型コロナウイルス対策の規則違反が疑われるパーティーが繰り返され、ジョンソン首相の責任が問われていた問題は、ロシアのウクライナ侵攻の陰でほとんど取り沙汰されなくなった。首相は辞任圧力にさらされたが、ウクライナ支援の外交努力を評価する声もあり、「ひとまず窮地を脱した」との見方が出ている。
 パーティーの一部には首相も参加。現在行われている警察の捜査で首相の規則違反が認められれば、下院の与党保守党内で党首(首相)の不信任を求める動きが加速する可能性があった。
 しかし、ウクライナ侵攻で状況は一変。不信任投票を書簡で求めた議員のうち少なくとも2人が最近要請を取り下げた。その一人、ブリッジェン議員は「国際的な非常事態下、不信任投票をやっている暇はない」と責任追及の棚上げを表明。「(ウクライナ危機は)すぐには収束しない。ジョンソン氏(の指導力)が必要だ」と述べ、有事のリーダーシップに期待を示した。
 閣僚で前下院院内総務のリースモグ議員は18日の与党会合で「(ロシアによる軍事侵攻は)政治家には議論し決断すべき重大な問題があることを思い起こさせた」とし、パーティー問題を「取るに足りないもの」と切り捨てた。18日付のデーリー・メール紙は、捜査の結果、首相の規則違反が認定されても辞任に追い込まれることはないとの楽観論が官邸周辺で出ていると伝えた。 (C)時事通信社