国土交通省が発表した2022年の公示地価では、新型コロナウイルスの感染が広がる中でも全国平均が2年ぶりの上昇に転じた。在宅勤務の普及を受け、都市部周辺の地方都市で住宅地の地価が上昇。中でも、再開発の進む北海道の上昇が目立つ。コロナ禍を機に、慌ただしい大都市から離れた暮らしを選ぶ動きが広がる。
 住宅地平均価格の前年比上昇率は札幌、仙台、広島、福岡の各市を合わせた「地方4市」で5.8%となり、「東京圏」の0.6%を大きく上回った。
 地方の動向を見ると、プロ野球日本ハムの新球場を軸とした街づくりが人気を集める北海道北広島市の3地域が20%超の上昇を記録し、全国のトップ3を独占。札幌市や周辺の北広島市などが上位100位の大半を占め、国交省の担当者も「異例だ」と驚きを隠さなかった。
 大和ハウス工業の幹部は札幌市内で分譲中のタワーマンションについて、道外の購入者が3割程度を占めており「北海道をよく旅行で訪れる首都圏の富裕層がセカンドハウス目的で購入する例が多い」と説明する。他方、別の不動産大手の担当者によれば、北海道に限らず「毎日在宅で勤務する夫婦が都心から郊外の広い家に引っ越すケースが増えた」という。
 共働き化が進んで世帯収入が増え、高額なローンを組みやすくなったことも住宅価格上昇の一因。不動産協会の菰田正信理事長は「開発事業者が(販売するのに手頃な価格で)買える土地が限られているので供給が少ない」と述べ、需給が逼迫(ひっぱく)しやすい状況にあるとの見方を示す。 (C)時事通信社