新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」が全面解除されたことを受け、外食チェーンなどは22日、通常営業を再開した。年度替わりの書き入れ時を控えたタイミングでの解除に、小売店や観光業界からも歓迎の声が上がるが、「客足は急には戻らない」(大手居酒屋)との見方もある。感染再拡大の懸念も根強く、不安を抱えた再スタートとなった。
 老舗ビアホール「銀座ライオン」を運営するサッポロライオン。「桜の飾り付けをし、店内で花見気分を味わえるようにする」(広報担当者)と張り切って準備し、22日から閉店時間を繰り下げた。
 居酒屋大手のワタミは、休業していた約100店舗を再開。日本マクドナルドや牛丼チェーンのすき家は、持ち帰りや宅配のみの営業だった夜間も店内で飲食できるようにした。
 解除で人の往来が増えれば、「春物衣料が動く」(大手百貨店)と、小売業界では売り上げの回復を見込む声が多い。観光業界も「プラスに働く。まずは身近な旅行から再開してくれたら」(旅行大手)と期待する。
 ただ、コロナ流行下の外出自粛などで、「消費者の生活様式が変わった」(小売り大手)との指摘は多い。大丸松坂屋百貨店は、夜間の来店客減少を踏まえ、一部を除き営業時間そのものを短縮。大人数の宴会需要の回復が見込めず、居酒屋チェーンでは、生き残りへ焼き肉店などへの業態転換も進んでいる。
 措置が解除されても、かつて「爆買い」をもたらした訪日外国人旅行者の再来には、なお一層時間がかかる見込み。日本旅館協会の佐藤英之専務理事は「まだまだ全体としては厳しい」と話している。 (C)時事通信社