順天堂大学は3月22日、国内初の好酸球性鼻副鼻腔炎(好酸球性副鼻腔炎)の専門外来を関連施設(順天堂東京江東高齢者医療センター、浦安病院、順天堂医院)に開設したと発表した。好酸球性副鼻腔炎は難治性・再発性鼻ポリープを伴う慢性副鼻腔炎の一種で、2015年に指定難病に認定された。主な症状は嗅覚障害や鼻閉で、国内の推定患者数は20万人。専門外来では、最新の手術支援機器を併用した内視鏡下副鼻腔手術や抗体医薬を用いた治療を行う。

重症例は推定2万人

 好酸球性鼻副鼻腔炎とは2000年以降提唱された疾患概念で、副鼻腔粘膜または鼻ポリープに著明な好酸球浸潤を伴う易再発性の慢性副鼻腔炎の総称である。好酸球は喘息やアレルギー性鼻炎などを引き起こすとされており、喘息患者および喘息予備軍に好酸球性鼻副鼻腔炎合併が多い。国内の慢性副鼻腔炎患者約100万~200万人中約20万人が好酸球性鼻副鼻腔炎で、そのうち約2万人が重症例と推定されている。

 好酸球性鼻副鼻腔炎の主な症状は嗅覚障害、鼻閉だが、前述の喘息に加え粘稠、膠状、膿性、粘液性の鼻漏、後鼻漏、頭痛または頭重感、頰の痛み、好酸球性中耳炎の合併などのさまざまな症状を呈する。

専門外来3つの特徴

 好酸球性鼻副鼻腔炎の診断は、①鼻の両側における病巣の有無、②鼻茸の有無、③篩骨洞の陰影の優位性、④血中好酸球の割合―について点数化(17点満点)し、「合計スコアが11点以上」かつ「鼻茸組織中の好酸球数(400倍視野)が70個以上」の両方を満たす場合。その上で指定難病の対象となるのは、末梢血好酸球率、CT所見、合併症の有無に基づく重症度分類で中等症以上または、好酸球性中耳炎を合併している場合となる。

 今回、同大学が開設した3施設における好酸球性鼻副鼻腔炎専門外来の特徴として、以下の3つを挙げている。

①病状に即し薬物療法と内視鏡下副鼻腔手術を選択

②最新の手術支援機器を併用した内視鏡下副鼻腔手術

③重症例には生物学的製剤治療を施行

 ①について、好酸球性鼻副鼻腔炎の従来治療であるステロイド薬の内服は、多発性鼻ポリープ、極めて粘稠な鼻漏を軽快させる。しかし長期投与に伴う免疫能の低下、糖尿病、骨粗鬆症などの副作用への懸念がある。また手術には術後の再発率が約25%と高率などの課題がある。 専門外来では、患者の病状に即して内視鏡下副鼻腔手術による病変の徹底除去、副作用を最小化したステロイド療法、生物学的製剤などを選択して治療する。

 ②について、ナビゲーション装置、鼻内組織の切除と吸引を同時に行うマイクロデブリッダー、副鼻腔手術用高圧洗浄機ハイドロデブリッダーなど最新の手術支援機器を併用して内視鏡下副鼻腔手術を実施することで、安全かつ徹底した病変の除去が期待できる。

 ③について、既存の治療法では困難な術後再発例、全身性ステロイド抵抗例などの重症例に対しては、生物学的製剤デュピルマブによる治療を行う。

 同大学によると、好酸球性鼻副鼻腔炎の専門外来を開設したのは国内では同大学が初めてだという。

(田上玲子)