自民党の新しい資本主義実行本部の提言骨子案が24日、判明した。官民による重点投資を抜本拡大する方針を明記。デジタルトランスフォーメーション(DX)と、脱炭素化・バイオ、人への投資の3本柱を掲げた。経済の立て直しに向け、「必要な財政出動はちゅうちょなく機動的に行っていく」ことも盛り込んだ。
 同本部は岸田文雄首相(党総裁)がトップを務める。骨子案で政権の看板政策「新しい資本主義」の輪郭を示し、党内で今後具体策を議論した上で、5月に政府に提言する予定。提言を踏まえ、政府は今春に実行計画を含む全体像を取りまとめる。
 3本柱のうち、DXでは量子技術や人工知能(AI)の実装、脱炭素化・バイオではクリーンエネルギーや再生医療などを具体例に挙げた。人への投資では、最低賃金の引き上げや、学生が卒業後に「出世払い方式」で返済する奨学金創設を提示。「性別にかかわらず仕事ができる環境」を整えるため、企業による男女間賃金差の開示も求めた。
 骨子案は、「経済を進化させる新たな視点」も示した。「短期的に収益が上がりさえすれば良いという考え方は成り立たない」として、企業に環境面などで責任を果たすよう要請。スタートアップ企業創出の5カ年計画を策定し、株式上場の制度改革を行う姿勢も示した。高速大容量通信規格「5G」のインフラ整備や、「メタバース」と呼ばれるインターネット上の仮想空間を活用するための環境整備も挙げた。 (C)時事通信社