【バンコク時事】東南アジアで新型コロナウイルス対策として導入した入国規制を緩和する動きが広がっている。感染は依然として続いているものの、落ち込んだ経済の立て直しには観光客の呼び戻しを急ぐ必要があるとの判断からだ。
 観光業が国内総生産(GDP)の2割近くを占めるタイは、2月にワクチン接種済みの渡航者の隔離免除を再開したのに続き、4月から出発前のPCR検査を不要とする。7月以降は未接種者を含め、到着時の検査を全面的に廃止する計画だ。
 インドネシアとフィリピン、ベトナムも隔離なしの入国制度を既に導入。シンガポールとマレーシアは4月に開始する。
 昨年11月から隔離をなくしているカンボジアは今月17日以降、渡航前後の検査を免除。クーデターで権力を握った国軍の統制下にあるミャンマーは、2年間停止していた国際旅客便の運航を4月17日に再開する方針だ。
 タイやベトナムなどでは新規感染者が高止まりしたままだが、各国には周辺国に観光客を奪われたくないという事情がある。タイのピパット観光・スポーツ相は「いち早く観光客の受け入れを再開したタイより規制を緩めている国もある。後れを取るわけにいかない」と話す。
 タイのアヌティン保健相は、規制緩和後に医療が逼迫(ひっぱく)しないよう病床や医療機器、医薬品を確保する考えを示すとともに、「マスク着用と手洗いを励行し、ワクチンの追加接種を受けてほしい」と国民に呼び掛けた。 (C)時事通信社