性別に関係なく使える「ジェンダーレス」化粧品が注目を集めている。多様な性別の在り方への理解が広がってきたことに加え、コロナ禍で男女を問わず美容意識が高まったことが背景にある。大手の化粧品メーカーや小売業者が新しい市場に相次ぎ参入している。
 カネボウ化粧品(東京)は2020年、主力ブランド「KANEBO」の対象顧客層を30~40代の女性から20代~100歳の男女に広げた。昨年発売した眉用マスカラは眉毛の流れを整えたり、ひげのつやを出したりすることができる商品で、男女問わず人気だ。
 同社によると、コロナ禍に伴うオンライン会議の普及で自分の肌と向き合う機会が増え、男女ともにスキンケアへの意識が向上。同じ化粧品を「シェアコスメ」として共用する例もあるという。
 化粧水の広告に女性と男性のタレントを起用したのは、コーセー子会社のアルビオン(東京)。以前から男女問わず愛用者が多かった商品だが、広報担当者は「最近は男性もスキンケアをする時代。『男性でも使っていいんだ』という発信をしたかった」と話す。
 大手小売りもこの分野に着目し、プライベートブランド(PB)商品の展開に乗り出した。スギ薬局(愛知県大府市)が今年4月に発売するスキンケア化粧品ブランド「プリエクラU」は、20~30代の男女に共通する肌の悩みに注目。洗顔料や化粧水、美容液などを取りそろえた。
 杉浦克典社長は記者会見で「男性や女性としてではなく、人としての美しい輝きを創造するブランドになる」と意気込む。都市部の店頭には男性の化粧品販売員を配置し、需要の取り込みを狙っている。
 イオンリテール(千葉市)も3月から新しい化粧品ブランド「コペルニカ」を展開。性別や年齢に関係なく肌に必要とされる成分を配合し、シンプルで使いやすい製品に仕上げた。 (C)時事通信社