前日の海外市場で一時1ドル=125円台まで進んだ円安・ドル高を懸念する発言が29日、経済界から相次いだ。経済同友会の桜田謙悟代表幹事(SOMPOホールディングス社長)は同日の記者会見で「現在の水準が適切だとはとても思えない」と強調。円安に伴う輸入コスト増が、燃料高や原材料の価格上昇に拍車を掛け、コロナ禍で苦しむ運輸・飲食業をさらに圧迫していると指摘した。
 桜田氏は「国力の弱さや、地政学的危機での強靱(きょうじん)性の低さが円安の背景にあるとすれば、慢性的に悪い影響が及ぶ可能性がある」と懸念。足元の円安は、日米の金利差拡大が直接の要因だが「日本が金利を上げることの最大のリスクは国債の利払いが増えること。(国の)財政が悪化すると円売りが始まる」と、さらなる円安にも警鐘を鳴らした。
 一方、日本鉄鋼連盟の橋本英二会長(日本製鉄社長)も29日の会見で「円安を容認する政策でよいのか。真剣に議論しなければならない」と言及。従来は、円高リスクへの対応が製造業のテーマだった。今回は輸入原材料への支払いがかさんで収益減を招く恐れがある。橋本氏は「円安リスク。これは初めてで大きな課題だ」との考えを示した。 (C)時事通信社