米・University of California, Davis School of MedicineのThao-Quyen H. Ho氏らは、米国の中高年女性90万例超において、3Dマンモグラフィであるデジタル乳房トモシンセシス(DBT)とデジタルマンモグラフィ(DM)における10年間の累積偽陽性率を比較する前向き研究を実施。逐年・隔年検診のいずれもDBTで偽陽性率は有意に低かったことをJAMA Netw Open2022; 5: e222440)に報告した。なお、隔年検診、高齢、非高濃度乳房はモダリティの相違よりも偽陽性率の大幅な低下と関連していた。

3通りの検診後追跡における累積偽陽性率を比較

 DBTはDMと比べて偽陽性率が低いことが報告されているが、乳がんでは長期にわたるスクリーニングが求められることから、長期の累積偽陽性率の検証が必要である。

 Ho氏らは、米国のBreast Cancer Surveillance Consortium(BCSC)に参加する126施設の放射線科で2005年1月1日~18年12月31日に検診を受けた40~79歳女性のデータを前向きに集積。逐年・隔年検診のそれぞれで、検診後に、①要精査、②短期間隔での経過観察、③生検―を勧められたが、結果的に偽陽性となった例の10年間の累積件数で調査し、乳がん診断と死亡の競合リスクを調整後、DBTとDMで比較した。

 計90万3,495例において296万9,055件の検診が実施され、うち15%がDBTだった。検診間隔は逐次が71.8%、隔年が16.8%、3年以上の間隔が11.4%、検診時の平均年齢は57.6±9.9歳で60歳未満は58%、高濃度乳房は46%だった。

 逐年検診では、精査、短期間隔の経過観察、生検の全てにおいて、DBTでDMと比べ10年間の累積偽陽性率が有意に低値だった。累積偽陽性率はDBTとDMの順に、①が49.6% vs. 56.3%(差−6.7%ポイント、95%CI −7.4~−6.1%ポイント)、②が16.6% vs. 17.8%(同−1.1%ポイント、−1.7~ー0.6%ポイント)、③が11.2% vs. 11.7%(同−0.5%ポイント、−1.0~−0.1%ポイント)だった。

 隔年検診では、①においてのみDBTでDMと比べ10年累積の偽陽性発生率が有意に低く(35.7% vs. 38.1%、差 −2.4%ポイント、95%CI −3.4~−1.5%ポイント)、②は10.3% vs. 10.5%(同 −0.1%ポイント、−0.7~0.5%ポイント)、③は6.6% vs. 6.7%(同−0.1%ポイント、95%CI −0.5~0.4%ポイント)と有意差を認めなかった。

 以上のように、いずれの検診モダリティでも偽陽性の累積発生率は、逐年検診と比べ隔年検診で大幅に低かった。

 検診間隔以外で累積偽陽性率の低下と強く関連していたのは高齢と非高濃度乳房だった。

 逐年検診において、DBTとDMの累積偽陽性率は、40~49歳群では①がそれぞれ60.8%、68.0%、②が20.7%、20.9%、③が13.2%、13.4%だったのに対し、70~79歳群では①が39.8%、47.0%、②が13.3%、14.2%、③が9.1%、9.3%だった。

 乳房構成については、50~59歳群の逐年検診におけるDBTとDMの累積偽陽性率は、極めて高濃度の乳房では①それぞれが58.8%、60.4%、②が19.5%、19.8%、③が15.1%、15.3%だったのに対し、脂肪性乳房では①が29.1%、36.3%、②が8.9%、11.6%、③が4.9%、8.0%であった。

 Ho氏らは「10年間の累積偽陽性率はDMと比べDBTが低かった。なお、隔年検診、高齢、非高濃度乳房は検診モダリティよりも偽陽性率に強く関連していた」と結論している。

(小路浩史)