【上海時事】中国最大の経済都市、上海では5日、新型コロナウイルスによるロックダウン(都市封鎖)の解除期限を迎えたが、市内全域で外出制限が当面続くことが決まり、経済に深刻な打撃を及ぼす恐れが出てきた。上海は金融や物流の世界的な重要拠点であり、「コロナ発生直後に武漢などが封鎖された時よりも、影響は格段に大きい」(上海市関係者)と不安が広がっている。
 世界最大のコンテナ取扱量を誇る上海港は24時間の稼働体制を維持。当局は世界のサプライチェーン(供給網)に及ぼす影響を最小限に食い止めたい考えだが、中国メディアによると、上海に入る物流トラックは厳しい防疫管理に直面しており、検問通過に何時間も待たされるケースが相次いでいる。地元に戻った運転手が何日も隔離され、面倒を嫌い、上海行きを拒否するケースが続出。上海港の稼働率も通常の6割程度に落ち込んだという。
 影響は製造業にも波及している。米電気自動車(EV)大手テスラは、3月末までの4日間としていた市東部の大型工場の操業停止を延長する方針を決めた。再開時期は不明で、業績を圧迫する恐れがある。ドイツのフォルクスワーゲン(VW)は今月1日から、市内4カ所の合弁乗用車工場を休止した。3月中旬から従業員を工場内に寝泊まりさせて生産を続けてきたが、都市封鎖で供給網が寸断し、稼働停止に追い込まれた。
 4万人近くに上る在留邦人の生活も深刻な影響を受けている。感染が広がった3月以降、オフィスが閉鎖され、在宅勤務を強いられる駐在員が急増し、「出張キャンセルで重要な商談が延期になった」「仕事の予定が全く立たない」といった嘆きが続出。自営業者は特に厳しい状況に置かれ「全く商売にならず、廃業も検討している」(美容師)との声まで出ている。 (C)時事通信社