元の長さの30倍以上伸ばしてもちぎれない高分子ゲル素材の開発に、東京大の酒井崇匡教授らの研究チームが成功した。人工靱帯(じんたい)などへの応用が期待できるという。論文は7日、米科学誌サイエンス・アドバンシズに掲載される。
 高分子ゲルは、ひも状高分子でできた網目構造で水などを閉じ込めたゼリー状の素材。生体適合性が高いためソフトコンタクトレンズなどにも使われているが、人工靱帯などへの応用には、十分な強度と繰り返しの負荷に耐える能力が必要だった。
 酒井教授らは、網目構造を構成するひも状高分子の結び目に着目。結び目から4本のひも状高分子が分岐する従来のゲル(4分岐ゲル)に対し、分岐を3本に減らしたゲル(3分岐ゲル)を作成した。
 3分岐と4分岐のゲルをそれぞれ引っ張ったところ、4分岐ゲルは元の長さの10倍程度でちぎれたが、3分岐ゲルは30倍以上伸ばしても破断しなかった。引っ張るのをやめると元に戻り、繰り返しの負荷にも耐えた。
 詳しく調べると、引っ張られた際に内部の高分子がきれいにそろい、結晶のようになって一時的に強度を増していた。3分岐のほうが4分岐よりもそろいやすかったという。 (C)時事通信社