新型コロナウイルスの感染「第7波」の兆候が見え始める中、政府は経済社会活動の足かせとなる「まん延防止等重点措置」や「緊急事態宣言」の回避に全力を挙げる方針だ。12日には感染状況が悪化する沖縄県にリエゾン(連絡員)チームを派遣。若者による3回目のワクチン接種を加速するための取り組みも本格化させた。
 沖縄へのチーム派遣は1月に続いて2度目。内閣審議官をトップに4人で構成し、15日まで県の対策の点検と必要な助言を行う。松野博一官房長官は12日の記者会見で「官邸や各省幹部とホットラインで対応する。機動的な対応が可能になるよう緊密な連携を図る」と語った。
 政府が沖縄の対策のてこ入れに乗り出したのは、感染状況が突出して悪化しつつあるためだ。直近1週間の10万人当たりの新規感染者数は11日時点で583人。2番目に多い東京の379人を大きく上回る。病床使用率は45%を超え、重点措置適用の目安の一つである50%に近づく。
 国内ではロシアのウクライナ侵攻により経済への打撃が広がり、政府は追い打ちになる恐れのある重点措置や緊急事態宣言の再発動を極力避けたいのが本音。4~5月には大型連休を控えており、沖縄で感染が広がれば、観光客を介して全国に飛び火しかねないとの懸念もある。
 沖縄県側では、病床使用率が50%を超えて60%になれば、国に重点措置を要請せざるを得なくなるとの声が出ている。ペースが速ければ、20日には60%に達するとの試算もある。政府は沖縄での感染の温床とされる高齢者施設や学校の対策を強化し、感染拡大ペースを鈍化させたい考えだ。
 一方、4月からワクチン担当となった松野長官は12日、東京都内にある国立大学協会や日本私立大学協会を訪問。伸び悩んでいる若者の3回目接種の加速に向け、自治体の大規模接種を活用し、学校単位で団体接種を進めるよう要請した。
 70代以上の3回目接種率は11日時点で8割を超えるものの、12~19歳は5.4%、20代は24%にとどまる。松野長官は「感染した場合、若い人でも重症化するケースがある」と指摘し、各学校で学生の接種希望を取りまとめ、接種会場に送迎するなどの対応を取るよう求めた。 (C)時事通信社