新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行への切り札とされる経口薬。米国のバイオ医薬品メーカーVeruは4月11日、開発中の新規経口COVID-19治療薬sabizabulinが、第Ⅲ相臨床試験の中間解析結果において中等症〜重症のCOVID-19患者の死亡率を55%抑制したと発表した。同社は試験を早期中止し、米食品医薬品局(FDA)と緊急使用許可(EUA)申請の協議に入るとしている。

中等症〜重症患者150例を対象に検討

 sabizabulinは、チューブリンのコルヒチン部位に結合して効果を発揮する微小管阻害薬。今回発表された第Ⅲ相二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験の中間解析では、入院中の中等症〜重症〔世界保健機関(WHO)臨床進行スケール4に該当〕COVID-19患者150例をsabizabulin群(9mg/日投与)とプラセボ群に2:1で割り付け、60日後までの死亡率(主要評価項目)を検証した。両群とも、レムデシビル、デキサメタゾン、抗インターロイキン(IL)-6受容体抗体、JAK阻害薬を含む標準治療の併用が許可された。

 検討の結果、60日後までの死亡率はプラセボ群の45%に対し、sabizabulin群では20%と55%の相対的減少効果が認められた(P=0.0029)。sabizabulinに関連する有害事象は認められず、忍容性は良好だった。

 こうした結果を受け、同薬の臨床試験は早期中止に。同社は近日中に、sabizabulinのEUA申請に向けてFDAと協議を開始する予定だという。同社最高経営責任者(CEO)で医師のMitchell Steiner氏は「抗ウイルス作用と抗炎症作用を併せ持つsabizabulinが、中等症〜重症のCOVID-19入院患者が真に必要とする経口薬になることを確信している」とコメントしている。

(平山茂樹)