厚生労働省は4月13日、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチンを接種した5~11歳の小児で副反応疑いが16件報告されたと発表した。このうち重度のものは2件で、心筋炎心膜炎発熱や頸部リンパ節腫脹などを生じる組織球性壊死性リンパ節炎が各1件報告された。いずれも回復または軽快したという。最も多かったのは血管迷走神経反射だった。

4月初旬までに小児への接種は53万4,000回

 5~11歳の小児に対するSARS-CoV-2ワクチン接種は今年(2022年)3月に本格化。4月4日までに53万4,708回が行われた。

 今回報告された副反応疑い例は16件(男児8例、女児8例)で、内訳は医療機関から13件、製造販売企業から8件(うち5例が医療機関との重複例)。年齢別見ると、5歳が2例、7歳が1例、8歳が2例、9歳が2例、10歳が3例、11歳が6例だった。

 重度の症状が見られたのは2例。7歳男児では心筋炎心膜炎が生じ、ウイルス性の咽頭炎の診断も受けた。10歳女児では組織球性壊死性リンパ節炎が認められた()。いずれも軽快または回復している。

表. 小児(5~11歳)のSARS-CoV-2ワクチン接種後の副反応疑い報告例(16件)

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(厚生労働省の発表を基に編集部作成)

半数で血管迷走神経反射を報告

 重度ではない副反応疑いで最も多かったのは血管迷走神経反射。報告例の半数(8件)で生じていた。ワクチンの注射の痛みや恐怖心、ストレスなどにより徐脈、血圧低下を引き起こす症状で、失神に至る場合もある。今回は、いずれも症状は重くなかったが、2件(11歳の男女各1件)で「失神寸前の状態」と報告された。

 その他の副反応として、①嘔吐、②胸痛、腕の痛み、痙攣(片腕と片側の太腿、5秒程度)、③苦悶感・異常感(気分がすぐれない)ーが各1件、発熱など(いずれも接種後SARS-CoV-2陽性と判明)3件が報告された。これらの大半が軽快または回復した(不明3件)。

 厚労省は、これまで報告があった小児での副反応疑い例の頻度について、「12歳以上のワクチン1回接種後の報告頻度と比較すると低い傾向であった」との見解を提示。現時点では「引き続きワクチンの接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められない」としている。

(小沼紀子)