福島県沖を震源とする最大震度6強の地震発生から、16日で1カ月。大きな被害を受けた宮城県山元町の唯一の総合病院、国立病院機構宮城病院は、昨年2月の地震を受けた耐震工事を進めるさなかに再び被災した。「災害時に運営し続けるのが病院の使命」。地域の期待に応えるため、医療体制を維持しつつ、全面復旧に向けた努力を続けている。
 3月16日夜、震度6弱の揺れに襲われた病院では、当直や駆け付けた職員らが協力して対応に当たった。幸い人的被害はなかったが、配水管の漏水や壁面のひびなどが新たに見つかった。
 同じ福島沖を震源とする昨年2月の地震でも断水や施設損傷などの被害が出たばかり。補修や耐震工事を進めてきたが、2度目の地震は想定外だった。4月に耐震工事が完了する予定だった救急外来が入る病棟でも、今回の地震で新たな亀裂が発生。耐震面での安全が確保できず、追加工事も必要なため立ち入り禁止とした。
 安全な医療を提供するには早期の補修や補強工事が必須だが、両立は難しい。それでも地域医療の担い手として、平日の外来診療を続けながら工事を進めることを決断した。同病院の若佐孝男事務部長(59)は「病院が動いていると地域の人々が安心する」と理由を説明する。
 休日のみの作業で工事が長期化する懸念もあるため、今後、仮設診療所の建設などの対策も検討するという。若佐さんは「災害時に運営し続けるのが病院の使命。体制を維持しつつ、使用できない病棟を早く復旧させたい」と話した。 (C)時事通信社