【上海時事】中国最大の都市、上海でロックダウン(都市封鎖)が始まって間もなく3週間。一部を除く大半の地域でなお、厳しい外出制限が続き、多くの住民が食料不足など深刻な生活難に直面している。忍耐は限界に近づきつつあり、不満の矛先は、感染を厳格に封じ込める「ゼロコロナ」に固執する習近平指導部にも向き始めた。
 「食料が届いていない!」。今月11日、住宅街を視察した上海市のトップ、李強・共産党委員会書記が市民らに囲まれ、詰め寄られる動画がインターネットに投稿された。直ちに削除され、メディアも報じていないが、李氏は次期首相とも目される習氏の最側近。ネット上でこうした姿がさらされるのは異例で、習氏自身も政治的な打撃を被りかねない状況だ。
 交流サイト(SNS)では「ウイルス検査の結果待ちで救急医療を受けられず、患者が亡くなった」「老人ホームで集団感染が発生し、複数人死亡した」「防疫対策に不満を募らせた住民が暴動を起こした」といった情報が出回り、当局は「デマや流言は徹底して取り締まる」と警戒を強めている。ただ、SNSの反応は「政府の出す情報より、よほど信用できる」と冷ややかだ。
 厳しい外出制限にもかかわらず、感染者はなお、1日2万人を超えるペースで増え続けている。市民の間では「やみくもなウイルス検査が接触を増やし、むしろ感染を広げている」などと、防疫対策の有効性を疑問視する声が増えている。 (C)時事通信社