新型コロナウイルス流行の「第7波」の兆候が見られる中、オミクロン株の新系統「XE」への警戒が強まっている。現在主流の同株2系統より感染力が強いとされ、日本でも感染者が確認された。市中感染の報告はないが、今後の拡大が懸念されている。
 厚生労働省は11日、3月26日に米国から到着した30代女性について、入国時の検査などでXE感染が判明したと発表した。国内での確認は初めてで、女性は入国時は無症状だった。
 XEは同株の従来型「BA.1」と、置き換わりが進む「BA.2」の遺伝子が交じっており、同時に感染した人の体内で組み換えが起きたとみられる。国立感染症研究所によると、英国で1月中旬に初確認され、今月5日時点で1100件余りの報告があるが、感染例に占める割合は1%に満たないという。米国やデンマークなどでも報告がある。
 BA.2の感染力はBA.1より強いが、XEはそのBA.2と比べても、一定時間内の感染者増加速度が12.6%高いと報告されている。ウイルスが細胞に侵入する際に使う表面突起「スパイクたんぱく質」がBA.2と同じなため、ワクチンや中和抗体薬の効き目は同程度と考えられる。重症化リスクは分かっていない。
 厚労省専門家組織は13日公表の見解で、XEについて、全遺伝情報(ゲノム)分析により監視を続けることが必要と指摘。感染症に詳しい慶応大の菅谷憲夫客員教授は「オミクロン株は軽症傾向が指摘されるが、重症化することも多い」と強調した上で、「XEはBA.2より感染力が強いと思われ、非常に警戒すべき存在だ」と話している。 (C)時事通信社