新型コロナウイルスワクチンの3回目接種をめぐり、岸田文雄首相が全国最下位の沖縄県の接種率向上に躍起になっている。同県の感染状況が突出して悪化している原因の一つは接種の遅れにあるとみているためだ。今週末に松野博一官房長官を派遣し、接種加速へハッパをかける考えだ。
 松野長官は24、25両日に訪問する方向。今月上旬にも訪れており、同じ月に2回沖縄入りする異例の対応となる。前回は基地負担軽減担当相としての視察だったが、今回はワクチン担当相として県や市町村に接種率向上の取り組みを促す方針だ。
 政府が20日に公表したデータによれば、沖縄の直近1週間の新規感染者(10万人当たり)は全国最悪の647人。東京都(318人)の2倍を超える。病床使用率は全国で唯一50%に達した。一方、3回目接種率は36.6%で、全国平均の49.1%から大きく後れを取る。
 関係者によると、首相は関係閣僚らとの14日の会議で沖縄の接種率を見せられた際、「何だ、これは」と声を荒らげ、改善を命じた。そのまま4月末からの大型連休に突入すれば、観光客らを介して感染が全国に広がり、夏の参院選も危うくなりかねないとの懸念があるとみられる。
 会議の直後、山際大志郎経済再生担当相は玉城デニー知事とオンラインで会談し、全国と沖縄の接種率を比較しながら「しっかり進めてほしい」と要請。さらに政府は、現場の状況を確認するため派遣したリエゾン(連絡員)チームについて、15日に予定していた帰任を急きょ先延ばしにした。
 松野長官は20日の記者会見で「特に若年層の接種率が低いことが沖縄県全体の3回目接種率に影響している」と分析。ショッピングモールでの接種や学生向けの接種などの手だてを挙げながら、「県と緊密に連携し、接種を促進していきたい」と語った。 (C)時事通信社