新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の3割が後遺症を発症することが分かった。米・University of California, Los Angeles(UCLA)のSun M. Yoo氏らは、同国のCOVID-19患者を対象に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染後急性後遺症(PASC)に関連する因子について検討した結果をJ Gen Intern Med2022年4月7日オンライン版)に報告した。

60日以上症状が持続

 米国では高齢者、少数民族、社会的弱者においてCOVID-19による死亡率が高いことが知られているが、これらの因子と一般的にLong COVIDと呼ばれるPASCとの関連についてはほとんど分かっていない。そこで、Yoo氏らは症候性COVID-19患者を対象にPASCに関連する因子について検討した。

 対象は、SARS-CoV-2感染が確認され2020年4月~21年2月にUCLA COVID Ambulatory Programに登録され入院/外来でCOVID-19に対する治療を受けた症候性COVID-19患者1,296例のうち、退院/外来受診30、60、90日後にPASCに関連する因子について調査を受けた1,038例(外来患者800例、入院患者238例)。平均年齢は60歳(四分位範囲37~83歳)で、対象の内訳は白人30.5%、ヒスパニック/ラテン系41.6%。糖尿病37.9%、臓器移植レシピエント10.7%が含まれていた。営利保険加入者42.2%、社会的脆弱性指標(SVI)は平均0.46点(四分位範囲0.17~0.76点)だった。今回は、急性期から少なくとも60日後の調査で症状が持続していた場合をPASCと定義した。

倦怠感が最も多い

 検討の結果、入院患者800例中246例(30.8%)、外来患者238例中63例(26.5%)、全体で1,038例中309例(29.8%)にPASCが認められた。

 退院/外来受診30日後の調査で報告された急性期症状のうち最も頻度が高かったのは倦怠感で73.2%だった。次いで息切れが63.6%、発熱・悪寒が51.5%、筋肉痛が50.6%に認められた。

 退院/外来受診60~90日後にPASCが認められた患者で最も多かった症状は倦怠感(31.4%)、次いで息切れ(13.9%)、味覚/嗅覚障害(9.8%)の順だった。発熱(1.9%)と発疹(1%未満)は少なかった。

 退院/外来患者別にPASC症状を見ると、両群とも倦怠感が最も多く、入院患者では息切れ(15.4%)が、外来患者では味覚/嗅覚障害(15.9%)が2番目に多かった。

 多変量ロジスティック回帰分析法で調整後、PASCに関連する独立した因子としてCOVID-19による入院〔オッズ比(OR)1.49、95%CI 1.04~2.14〕、糖尿病(同1.39、1.02~1.88)、およびBMI高値(同1.02、1.0002~1.04)が抽出された。

 一方、営利保険加入に比べメディケイド加入(OR 0.49、95%CI 0.31~0.77)と臓器移植レシピエント(同0.44、0.26~0.76)は、PASCと逆相関の関係にあった。

 年齢、人種/民族、SVI、ベースライン時の身体機能はPASCの発症に関連していなかった。

 以上から、Yoo氏は「今回われわれの研究ではCOVID-19患者の10人に3人がPASCに関連する症状を呈しており、最も頻度が高かったのは倦怠感だった。PASCに関連する独立した因子としてCOVID-19による入院、糖尿病、BMI高値が抽出された。ただし、COVID-19の重症化および死亡に関連する高齢、少数民族、社会的弱者は、PASCとの関連が認められなかった」と結論。

 さらに「この研究ではLong COVIDの軌跡を理解し、既存の併存疾患、社会人口統計学的要因、ワクチン接種状況、ウイルス変異型などの個々の要因がLong COVID症状の種類と持続性にどのように影響するかを評価するため、多様な患者の集団を縦断的に追跡する必要があることが示された」と考察している。

(大江 円)