【ワシントン時事】米国で、新型コロナウイルス対策のマスク着用義務をめぐる論争が再燃している。南部フロリダ州の連邦地裁が18日に公共交通機関での着用義務を「無効」と判断したことがきっかけだ。バイデン政権は控訴する意向だが、義務化の継続には賛否両論あり、対応に苦慮している。
 運輸保安局(TSA)は地裁判決を受けて義務化を撤廃。主要な航空会社や配車大手も追随した。米メディアは、「マスク着用は任意です」と機内アナウンスが流れ、乗客が拍手して喜ぶ映像を伝えた。
 バイデン大統領は昨年1月の就任以来、マスク着用をワクチン接種と共に「愛国者の義務」として推進してきた。だが、共和党支持者らは政府による行動制限に反発。州レベルでは義務化撤廃の動きも広がり、「マスク反対」はバイデン政権批判の象徴となった。
 一方、シカゴ大などが14~18日に行った世論調査では、公共交通機関でのマスク着用について「賛成」が56%で、「反対」の24%を依然大きく上回っている。
 政権は引き続きマスク着用を推奨するものの、「法的義務はない」(サキ大統領報道官)と歯切れが悪い。米国では1日当たりの新規感染者が100万人を超えたこともあったが、3月以降は数万人程度で推移。感染の落ち着きも対応を難しくしている。 (C)時事通信社