脳が活動した際に生じる微弱な磁場の変化(脳磁図)を小型のセンサーで測定することに成功したと、東北大の中里信和教授らの研究グループが23日までに発表した。難治性のてんかん治療などに役立つ可能性があるといい、研究成果は英科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。
 脳磁図の測定には極めて微弱な信号を捉える必要があり、従来のセンサーは液体ヘリウムによる冷却が欠かせず装置の大型化が避けられなかった。既存の装置は製造費が約3億円、年間維持費が数千万円掛かるとされる。
 研究チームは、同大が開発した「TMR素子」と呼ばれる室温で稼働する26ミリ角の磁気センサーを使って測定を実施。手首を刺激すると、大脳の特定部位から発生した磁場を測定することができた。
 薬が効かない難治性てんかんでは、原因部位の切除が有効とされる。新たなセンサーを使えば、脳の活動部位をより高精度で推定でき、切除部分を決める際に役立つと期待される。
 中里教授は「いつ起こるか分からないてんかんの発作を、普段の生活の中で記録できる可能性がある」と説明。将来的には持ち運びできる小型の測定装置の開発を目指すとしている。 (C)時事通信社