3月下旬~4月初め、ウクライナ入りした国際医療援助団体「国境なき医師団(MSF)」の門馬秀介医師が26日、東京都内の日本記者クラブで会見し「兵隊の格好も東へ行けば行くほど重装備になっていった」と国内の様子を語った。
 門馬氏はポーランドからウクライナ西部に入った。途中立ち寄ったポーランド南東部ジェシュフには米軍が駐留しており、たくさんのミサイルが「ロシア側に向けてあった」のが印象的だった。
 ウクライナを陸路、西から東へ。リビウ、ビンニツァを経由し約1000キロを横断して、中部ドニプロへ向かった。「バリケードがたくさんあって時間がかかった。西ではちゃちだったが、東へ行くほど高度なものになった」と振り返った。ドニプロがあるドニプロペトロウスク州の東隣は激戦が続くドネツク州だ。
 現地の病院では、100人、200人と患者が殺到する事態を想定し、医師らの研修を繰り返した。ロシア軍が一気に侵攻してきた場合に備え、地下室でも手術を行えるよう準備を始めた。
 一方でウクライナの医療水準は「私が想像していたよりかなり高い」と指摘。「特に東側はもともと紛争地域があって、準備ができている」と感じた。「自分たちで医療をやろうとしている。やらない理由はないと考えている。(現場に)残って『こういう理不尽なこととは戦う』と言っている」とドニプロの病院の雰囲気を紹介した。
 ただ、化学兵器や放射線への対策は「個人の感触でしかないが、全くできていないと思った」と述べた。「日本でも同じだが、専門の装具もいるし、簡単にはいかない」と表情は厳しい。
 一方で、現地では「生活を保とうとしている」と強調した。「店を開けたり、犬の散歩をしたり」普通の暮らしと隣り合わせでロシア軍の侵攻が続いている危機的状況がある。 (C)時事通信社