新型コロナウイルスの流行を機に、オープンテラス営業など屋外の歩道で飲食を楽しむ新たな光景が全国で広がった。道路利用の制限が緩和され、路上で営業しやすくなったためだ。コロナ禍限定の一時的な取り組みにとどまらず、街のにぎわいにつなげようと恒久的な制度に移行する動きも加速している。
 国土交通省は2020年6月、道路占用の許可基準を緩和した。「3密」を避けるためテーブルやベンチを店先などの路上に設置しやすくする特例措置で、これまで再延長を重ね、今年9月末が期限となっている。昨年7月時点で全国約170自治体、延べ420件許可された。
 北海道室蘭市は20年7月から始め、商店街を中心に路上でビールや食事を振る舞えるようにした。市によると客や店の評判は上々。市の商店街振興組合連合会の担当者は「飲食店への足が遠のく中、やってみようという店が出ている。屋外で感染リスクは低く、客も安心して楽しめる」と歓迎している。
 特例は暫定措置だが、継続を希望する事業者が多く、道路占用が最長20年間認められる歩行者利便増進道路(通称「ほこみち」)制度に移行する地域が増えている。同制度は20年11月から始まり、今年4月までに全国72カ所の区域が指定された。当初は25年度末までに50カ所を見込んでいたが、想定を上回るペースで増加。国交省はコロナが制度普及を後押ししたとみている。
 神戸市は21年2月、三宮駅近くの「三宮中央通り」を全国で初めて指定した。特例措置でオープンカフェが営業されていたが、地元のまちづくり団体が「さまざまな活性化の試みを展開したい」と要望、ほこみち制度に移行した。
 指定後は、キッチンカーを集める路上イベントなどを開催。市の担当者は「昨年はコロナで思うようにできなかった。本格的な取り組みはこれからだ」と意気込む。室蘭市も特例措置の終了後を見据え、ほこみちの指定へ準備を進めている。 (C)時事通信社